進化大陳列館



芸術の都、パリには多くの美術館、博物館が存在する。
そういったことは明るくない唐変木の私でも、パリに来たからにはどっかひとつでも訪れたいってものだ。今回の旅で一番行きたかったピカソ美術館は、残念なことにバカンス真っ只中で閉館していた。働きまくることが美徳とされ、社畜という言葉が生まれて久しいここ日本でもお盆休みがあるんだから、そして私たちもそれを利用して来てるんだから、パリだってそうだよねー。しょんぼり。(ってこの旅に出ているとき私は無職だったが)と落ち込んでいた私を友人が連れて行ってくれたのは、国立自然史博物館の中にある進化大陳列館であった。ここでは進化の過程や骨格標本などがズラリと展示されていて、言葉がわからなくても十分楽しめる内容となっている。







見渡す限りのホネ、ホネ、ホネ。
「大恐竜展」とか、「人体の不思議展」とか好きな方は、楽しめると思います。ただひたすら骨と筋肉と血管とホルマリンが続いてゆくだけなので。ただ、ここは展示物の保存の為に空調は扇風機のみ。そしてその前には恰幅のよいお父さんが悲痛な面持ちで制汗していたり、子犬のようにじゃれている兄弟を叱りつつ乳児をあやしているお母さんが休んでいたりと私たちの為に残されたスペースは目に見えて皆無。

ファミリーだけでなく、カップルから何の集まりかわからない年配のグループまで、客層は様々。熱心にメモをとっていたり、大きなカメラを抱えマイウェイな体勢で写真を撮りまくっていたりと、みな思い思いに過ごしている。といってもやっぱり主役は子供達である。トリケラトプスの頭蓋骨を並んで写生をしているかわいい二人の姿も。
一階は動物の骨格標本や脳、奇形動物のホルマリン漬けなど。二回は恐竜の骨格や化石。三階は二階からの吹き抜けをぐるりと囲む形で石などの展示をしている。この辺りになると言葉の不自由な私たちには理解ができないので、早々に立ち去り、土産物を見ることに。甥へ恐竜Tシャツを購入した。




国立自然史博物館は植物園や動物園、鉱物陳列館などがありなかなかの広さ。綺麗に整えられた庭園や並木の中をゆっくりと散歩することができる。異国の公園で日差しの中をただ散歩するのも、またいいものだなと思いながらメトロへ向かったのである。


(※ この散歩中、強風+通り雨にふられてしまい散々であった)