便利に支配されると不便になる

かなり前の話だけれど、我が家にamazonプライムがやってきた。
そんなにめちゃくちゃamazon使ってるわけではないのだけれど、プライムビデオ・プライムミュージック・お急ぎ便や送料無料の特典を考えたら安くね?得じゃね?ってことで入会。

最近、節約のために家から歩いて一時間弱かかる駅から通勤しているのだが、そんな時にプライムミュージックを使っている。早朝の空気をめいっぱい吸い込み、音楽を聴きながらウォーキング。自分でもびっくりするくらい健康的だ。何で痩せないんだろう。不思議。
プライムビデオの映画ラインナップもなかなか厚いので、空いた時間によく観ている。最近観た「ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!-」が傑作だった。サイモン・ペグは最高だな。ニック・フロストも超キュート。よっしゃ次は「宇宙人ポール」を…と次々に観たくなってしまって結局そのために時間を工面する始末。夫共々海外ドラマの「ウォーキング・デッド」にハマり、二人の時間はゾンビに侵食されつつあるし。いやー、面白い…って完全に振り回されている。

「ちょっと便利」「ちょっとお得」を追い求めすぎると、それはかえって不便になる。ので、その塩梅をうまく調節しないといかぬ。

Amazonプライム、あとはKindleのサービスにもっと力入れてくれたら最高なんだけどな…。

肉と神話と欲望と

2日目-1

多くの神話の舞台となった宮崎県高千穂町。ずっと、行ってみたいと思っていた場所に行く機会が降って湧き、旅行前から私の胸は高鳴りっぱなしだった。
宮崎県は山が多いということを前回書きましたが、その山をつなぐための橋も多く、高度が上がった車窓からの景色はすこぶる絶景。連なる山々、深い谷には小さな集落、突然現れる巨大な橋。はえー、すっげぇ、と眺めていたら、案内人から「この辺りはもう高千穂と同じ景色。どこ行ってもこれ。」と身も蓋もないことを言われ、ちょっと脳が冷める。
先ず我々が向かったのは、高千穂がまだせ市場。この日の昼食は高千穂牛だ。

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等身大の牛がお出迎え。かなりの巨体。

牛肉。牛肉と言ったらステーキ。そう、ここで食べるのは高千穂牛ステーキだ。実は前日、美味しい料理と焼酎で大いに気分が盛り上がり、二軒目に繰り出した先でもしこたまビールウイスキーを呷った末に、べろんべろんでホテルのベッドに倒れこんだ私にとっては、かなり厳しい戦いだ。ヘヴィー級と言ってもいいだろう。隣を見ると、私と同じ道を辿った夫も悲壮感を漂わせている。あんなに大好きなステーキなのに…。しかも彼は朝食も食べておらず、慣らしゼロである。
ここでは100g単位で追加注文が可能。別の部位を頼むこともできる。正直100gで十分だと思っていたのだが、私の年齢の倍以上生きている案内人が「300gは食える」と豪語していて、100gとか雑魚い数字をとても言い出せる雰囲気ではなかった。結局、ヒレ100gとロース100gを注文する。ソースはおろしソースにわさびが添えてあり、ご飯に合う味つけ。で、肝心の肉ですが、確かに美味しい。柔らかくてストンと切れる。*1というか、多分脂が乗っている方なんだと思う。日本人に好まれる肉質かと。私はどちらかというと赤身好きなので、好みからは外れますが。でも美味しいですとても。さすが全国和牛能力共進会のグランドチャンピオン。*2

この日の天気はあいにくの雨模様。それに加えて平日だということもあり、観光客もまばらである。案内人曰く、土・日の混雑っぷりは尋常でないとのことだったので、今のうちに高千穂の中でも人気のある所を見ておこうと、先ずは天照大神が立てこもりを決め込んだという、有名な天岩戸神社へ向かう。

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天照大神(アマテラスオオミカミ)の弟、須佐之男命(スサノヲノミコト)が乱暴の限りを尽くしていたことを嘆いた天照が、岩の中に篭城したとの逸話のある神社。ていうか立てこもってる場合じゃないと思うけど…弟も弟なら姉も姉だ。
(詳しくはこちら。素晴らしいイラストとともに詳しく書かれています↓)
【公式】天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)|天岩戸神話|宮崎県|高千穂町

本堂でお参りをした後、困った八百万の神々が緊急会議を開いた天安河原へ向かう。因みに、御隠れになった天岩戸は禁足地なので行けません。

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川沿いの道を進み…
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到着。洞窟に小ぶりな鳥居とお社が鎮座している。

天安河原は、スピリチュアルカウンセラー江原啓之さん曰く、日本の中でもかなりのパワースポットだとのこと。ここらで石積みをすれば、願いが叶うと言われている。江原さん云々はともかくとして、天安河原宮を取り囲む景色は圧巻…。
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見渡す限り石、石、石…確かに、煩悩という名のパワーを強く感じる。
それにしても、道すがら岩はゴロゴロと転がっていたが、積み重ねられるような大きさの石は見当たらなかった。早い者勝ち、ということだろうか。いや、まさか皆さんわざわざ持ってきているのか…?それとも、他人の願いを破壊して積み直すのだろうか。神の御許で繰り広げられる欲望の輪舞(ロンド)…。

おまけ。天岩戸神社近くで見つけた、これもまた神の名を借りた欲望の欠片。
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上手いコト言ったつもりか…!

*1:どうでもいいけど「ストンと切れる」と聞くといつも日本直販が、穴の空いた包丁でトマトを切っていたことを思い出す

*2:平成19年

南国、宮崎の旅

縁あって、宮崎県に初上陸してまいりました。宮崎県、非常に素晴らしい所でした。せっかくなので、素敵な思い出のご恩返しに、宮崎県を褒め称える旅行記を書いていこうと思います。

1日目
東京・羽田から約一時間30分、宮崎空港に到着。フェニックスがこれでもかというくらい植わっていて、南国ムード満点だ。そして空港の正式名称は「宮崎ブーゲンビリア空港」だということを初めて知る。

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さながらラブホテルの看板のよう…


この日は日向市でホストファミリーから素晴らしいおもてなしを受け、さらに土産に焼酎「百年の孤独」までいただく。伊勢海老の盛り合わせなんてものを初めて食べ、焼酎も文句なしにうまいしでここは天国や!と浮かれていたのだが、後から思うとそれはこれから始まるおもてなし地獄の序章であった。
ちなみに、日向にはボルダリングジムがある、という情報を事前に得た我々は、タイミングを見計らって登るつもりで靴まで持って行っていたのだが、結局行けるタイミングはしたたか酒を飲んだ後しかなく、当然店員に追い返されてしまった。いや、さすがにやる気はなかったが。覗いてみた感じ、遅い時間にもかかわらず結構賑わっていて、楽しそう。どうやら、宮崎県はクライマー人口が多いらしく、というのもそこかしこに山はあるわ岩があるわ。日向からちょこっと北の延岡市には比叡山なんてロッククライミングの聖地みたいな山があり、日本のヨセミテといわれる大崩山がありとボルダリングっていうかそこに岩があるからそれ登ります、という生まれながらにガチ勢的な環境が整っているわけだ。
確かに、宮崎県は昔、とにかく交通が不便という印象があり、その結果今まで観光で行くのは大分県止まりだった。*1山めっちゃある印象。
そんな山多き宮崎県の秘境、先ずは高千穂へ向かう。

*1:中国地方から宮崎県に行こうとすると1日はかかると思う。飛行機ないし