あなたの声

最近自宅での作業中には、特にラジオを流しております。
人は学生時代、ラジオっ子だった人とそうでなかった人に別れると思いますが、私は中学の頃はスポーツに勤しみ、高校生になってからはアルバイトに明け暮れていたので、受験勉強の時くらいにしか聴く機会がありませんでした。そしてそれはもう全くBGMとしか扱ってなかったので、誰が何の番組をしていたか覚えておりません。それからは、ポッドキャストをたまーーーに流す程度でラジオからは遠ざかっていたのですが、去年の年末。年越しの準備やら発送のあれこれをしている間、静かなのも追いつめられるし音楽を流すと逃避しちゃうしでどうにも捗らない!というときに、なんとなく流し始めたところ、殊の外具合が良かったので、それからは度々お世話になっています。

最近いいなぁと思ったラジオ番組は、小川洋子さんのメロディアスライブラリー。
作品の紹介、解説の端々に「ここが素晴らしいところなんですよ〜」と熱く読みどころを語られるその声から、文学への情熱が迸っております。なんか正座して聴いちゃう。

ところで、ラジオを流し続けてわかったこと。それは、自分が人との会話に相当飢えているという事実…。以前は接客業をしていたので、それこそ毎日会話をしていました。今は夫としか会話をしていない日がザラにあり、その上お勤めに出ていない私の周囲で起こる事件は、今まで以上にささやかで小さく、取り立てて他人に話すことでもない事柄ばかり。「洗濯機の排水が詰まった」話題とか、5秒で終わります。インターネットから得た下世話なニュースについて不毛な議論を夫としていても、心が晴れるはずもありません。

ラジオはそんな私の心を、それなりに慰めてくれています。他人の声を聞くのって、いいですね。まぁ一方通行なんですけど。なんか書いてて悲しくなってきました。やっぱ外に出ます。