フランスの乳製品事情

今回のフランス旅行ではあまり外食をせずに、友人の居候先にスーパーで購入した食材を持ち込み、これまたスーパーで購入したワインと一緒に食べることが多かった。これは本当に友人のおかげなのだけれど、フランスのスーパーは乳製品好きの者にとっては夢のような品揃えで、それもあって友人は提案してくれたようである。外食はかなり高くつくので、お財布的にもとても助かった。


よくやったのはこういった組み合わせ。

組み合わせもなにも、手間のかからないワインのつまみを選びましたってだけです。すいません。内容はフランスパン、チーズ、バター、サラミとワイン。
このチーズはスーパーの中にあるチーズ専門コーナーで購入したもの。量り売りもしてくれるのだが、私たちはセット売りしている物を選んだ。バター、サラミも同じスーパーで揃えたのだが、どれもスーパーとは思えない品揃えで、バターに至っては一棚使われている。日本ではバターというと有塩・無塩くらいのものだが、他にも塩が結晶塩だったり、海藻やパプリカパウダーが入ってたりととにかく種類が多い。私たちが今回買ったのはパスカル・ベイユヴェールというチーズブランドの、有塩・結晶塩・海藻の三種類。写真ではフランスパンの隣にある石けんのようなもの、それ、それがバターです。チーズもバターも、濃厚で香りも強く、とてもフレッシュ。バターは上質なクリームのようで、臭みを残すことなく融けてゆく。もうつまみはこれだけで充分。酪農大国フランス、流石の実力である。


こうなるとさぞかし牛乳も美味しいのではないか、と期待を持ってしまう。ということで朝食用に購入し、期待値マックスで翌朝に飲んでみた。

……大変後悔しました。一言で言うと、臭い。
干し草の香りがする。牧草の。おそらく牛の食べたものの香りなのだろう。フレッシュさがアダとなってそれが余すところ無く表現されている。結局帰国するまでに飲み切る事が出来なかった。


安くて美味しいワイン、フレッシュで豊富な種類が揃うバターとチーズ、ここまでは完璧だった。フランスに住みたいと思うくらいだ。だが、牛乳が飲めなくなるのは……。ワイン・バター・チーズのトリオにも勝る牛乳という存在は、改めて偉大だと感じたのである。